大統領選挙に思いを寄せて

今、アメリカ大統領選挙で賑わっていますね。トランプ氏かバイデン氏か。早く結果が知りたいですね。なんか試験の結果がどうなのかなとドキドキしてるのと同じ感覚です。

私にとって、この大統領選挙は留学していた時を思い起こさせるんです。今から20年前、当時大学2年生だった私は、大学の留学プログラムを利用してアメリカ、カリフォルニア州に留学していました。今のトランプ大統領の2代前、ジョージ.w.ブッシュ氏が大統領に決まった時で、その時の新聞を今でも大切に保管しています。

この留学は、私の人生を大きく変えてくれた体験でした。それまで大変内気な青年でしたが、多くの海外の人との出会いで、良くも悪くも、明るくなりました。出会った人たちのことを今でもよく覚えています。

徴兵されるのが嫌で、祖国にいる彼女に電話で涙ながらに話しているトルコ人。

会話はペラペラだけど、英文法は苦手なブラジル人。

アメリカで弁護士になるために、研修に来たロシア美女。

徴兵での訓練で体術を極めたイケメン韓国人。

ハロウィンイベントで、チマチョゴリを着て、注目を浴びていた北朝鮮の美女。

そして、そんな多国籍の人たちを楽しませようと趣向を凝らしたイベントを用意してくれた、本校のスマイルサポーターのようなアメリカ人たち。

私が一番不思議に思ったのは、歴史が違う、文化も違う、肌の色も違う、育った背景も違うのに、なんでみんな同じクラスの人間関係のような接し方ができるんだろう、ってことです。学園ものの漫画に出てくるような、仲が良く、自分の考えが尊重されてそれぞれの生き方で学校生活を充実させているような感じでした。

お互いしどろもどろの英語でいろいろ話をしてみると、みんなそれぞれ意思を持っていて、他の意思を理解し、違いを受け入れて接しているんだと分かったんです。

祖国が多国籍、多文化だからこそできる考え方なのかもしれません。しかし、他の生き方を尊重しつつ、自分の生き方を持つ。これが人間関係の本質なんだと思いました。

帰国した後、人の良いところをしっかりと見るようにしました。悪いところは見ない。そういう考えなんだ、と思うようにしました。すると、とにかく気持ちが軽くなるんです。自分と合わないけれど、違いはあって当たり前。常に自分と同じものを求めたりすると上手くいかずに、なんで?と思って気持ちが沈んでしまいます。

私はこの留学の経験を基に、ゼミ学習で海外文化についての授業をすることにしました。人間関係に悩んでいるなら、海外の人たちの生き方を知ってみて下さい。それが心を晴らすきっかけになると思います。